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バレンシア(Valencia)は、スペイン東部、バレンシアの州都、県都であり、人口は約80万人、スペイン第3位の大都市。マドリッドから特急で4時間、バルセロナからも約4時間。
地中海に面し、温暖な地中海性気候であるが、夏は乾燥して暑く、冬は湿って暖かく、春秋は嵐になりやすい特徴がある。土壌が肥沃で、有名なバレンシア・オレンジ、米の生産高は、スペイン一と言われる。
観光地としては、世界遺産に登録されているラ・ロンハや、国立陶器博物館、カテドラルなどがあり、3月に開催される火祭りが有名。また、パエリア発祥の地でもある。
歴史は古く、ローマ軍によって駐屯地が築かれ、紀元前137年、ツリア川(Turia)の畔に町が築かれ、ワレンティア(Valentia 、強さ・活力の意)と名付けられた。
その後、西ゴート王国、次いで709年、平和裏にイスラム教徒ムーア人の支配下に。イスラムの文化が根付くと、紙、絹、皮、陶器、ガラス細工や銀細工の交易により、繁栄した。この時代の建築上の遺産が多く、古い城壁、浴場、塔などが残り、昔のモスクの尖塔がミカレット(El Micalet、ミゲレテの塔)として名所に。
1094年、カスティーリャ王国の貴族ロドリゴ・ディアス・デ・ビバール(Rodrigo Díaz de Vivar、1045〜99年)、通称エル・シドが反乱を起こしてバレンシアを征服すると、9つのモスクが教会に変えられたが、1099年に彼が死ぬと、1102年、ムラービト朝(Almoravids、1056〜1147年)に奪回された。
その後、12世紀半ばに、ムラービト朝が衰えると、スペイン各地にイスラムの小国が分立したタイファ諸国の1つ、バレンシア王国に。
1238年、アラゴン王ハイメ1世(在位:1213〜76年)が、バレンシア王国を征服。以後、キリスト教国のバレンシア王国となり、バレンシア王はアラゴン王、のちにスペイン王が兼ねたが、バレンシアには自治権が与えられていた。
15〜16世紀には、バレンシアは地中海でもっとも重要な都市の一つで、ローマ教皇カリストゥス3世(在位:1455〜58年)と、アレクサンデル6世(在位:1492〜1503年)を輩出したボルジア家はバレンシアの出身。
アレクサンデル6世は、ルネサンス期の世俗化した教皇の代表的存在とされ、親族登用主義が顕著で、その息子チェーザレ・ボルジアは17才でバレンシア大司教に任命されている。
1700年、スペイン・ハプスブルク家のカルロス2世が、後継者のいないまま亡くなると、フランス・ブルボン家のアンジュー公フィリップがスペイン王フェリペ5世として即位したため、スペイン継承戦争が勃発。
カール大公を推すオーストリアは、フランスの勢力拡大を恐れるイギリス、オランダと対フランス大同盟を結び、フェリペの即位に反対してフランス、スペインに宣戦布告したものの、1713年、ユトレヒト条約により、フェリペ5世のスペイン王即位が承認された。
バレンシアはオーストリアのカール大公の側についていたため、スペイン王家に反逆したとして、カタルーニャとともに、フランス・スペイン軍に蹂躙され、バレンシアは自治権を失った。
スペイン内戦では、共和国政府が、バレンシアを臨時の首都とし、フランコ軍により包囲された。フランコ時代にはバレンシア語の会話・教育が禁じられたが、スペインの民主化後、1982年にバレンシア州は自治州となり、現在では逆にバレンシア語の教育が義務化されている。
1957年、市内を流れるトゥリア川が大洪水を起こし、河川改修が行われ、旧トゥリア川の跡は7kmにわたる公園となり、1996年に、芸術科学都市が建設された。
見所:
○ カテドラル(Saint Mary of Valencia Cathedral)
13〜15世紀に建築され、バロック様式の「鉄の門(Irons Gate)」、ゴシック様式の「使徒の門(Apostles Gate)」、ロマネスク様式の「宮殿の門(Palace Gate)」と、3つの入り口が異なる様式。そばの広場はローマ時代のフォーラムだった。
○ ミゲレテの塔(El Miguelete)
1424年に建てられたカテドラルの角にある高さ51mの八角形のゴシック様式の塔で、最上部に鐘楼がある。キリストの使徒、聖ミカエル(バレンシア語でミゲレテ)にちなんでその名がつけられ、地元の人達は「ミカレット」とも呼ばれる。内部の207段の階段を上ると展望台になっており、バレンシアの街を一望できる。
○ ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(en:Lonja de la Seda)
1482〜1533年にかけて、イスラム王宮跡に、ゴシック様式で建築された「絹の交易所」で、当時の地中海の主要な商業都市の繁栄振りを物語る建物。「バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(絹の商品取引所)」として、1996年、世界遺産に登録されている。大広間の螺旋模様の柱は、やしの木が葉を広げるように天井につながる。
プラサ・デル・メルカド(Plaza del Mercado)にあり、ロス・サントス・フアネス教会や、生鮮食料品店が300軒も並ぶバレンシア中央市場(Mercado Central)に面している。
○ セラノス塔(Torres de Serranos)
14世紀末に建てられた市壁の一部としての門で、凱旋門として、一時は牢として用いられ、ヨーロッパで最大のゴシック様式の門。
○ 国立陶器博物館(Museo Nacional de Ceramica Gonzalez Marti)
15世紀の宮殿が、18世紀半ばに、ロココ様式に改装され、アラバスター(雪花石こう)で造られた玄関が見事。
バレンシア北の近郊の町、アルコラ(Alcora)の王立陶器工場で造られたタイルのコレクションが見られる。
○ 芸術科学都市(Ciutat de les Arts i les Ciències)
サンティアゴ・カラトラヴァの設計により、1996年にオープン。オペラハウス、科学博物館、水族館などからなる。
☆ 写真集(ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ)@ A B C D E F
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YouTube動画 その1
★Valencia a vista de pájaro
YouTube動画 その2
★Valencia a vista de pájaro 世界遺産「ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(絹の商品取引所)」
YouTube動画 その3
★EL MICALET DE VALENCIA
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★Llotja de València
YouTube動画 その5
★France Study Abroad 2006 - Valencia
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★valencia